砥石いろいろ





天然仕上げ砥石の表面写真です
画像提供:ミクロワールドサービス砥石コーナー

これまで砥石の表面を拡大撮影されたものを
いろいろと見てきましたが
このように立体的に撮影されたものには
初めてお目にかかりました
感動的な写真です
やはりその道のプロの技は凄いものです

撮影をされた方の話によると、この砥石は
「亀印」と書かれた台に貼付けられたものだそうで
使用途中に剥離した薄片の一部だということです
柔らかめで、泥の出方や肌の感じが京都産のものに
良く似ているということです







これは天然仕上げ砥石、京都・大平産の内曇です
黒い洞穴のように見えるものは巣板の巣だと思われます







そしてこれは中砥の丹波産・青砥
上の画像とは同じ倍率で拡大されているものだそうです
中砥ですから、上の内曇よりは荒い粒子が観察できます







これは荒砥の大村砥です
オンザロックのグラスの中を覗いているようです・・
水晶の結晶のようにも見えます

それにしても、拡大されたものはどの砥石も美しい・・













福井県産の仕上砥を手に入れました
使ってみてビックリ・・ブログで紹介しました

砥石採掘人E氏のブログ






2013年6月13日新たな仕上砥をブログで紹介







兵庫県但馬たじま地方で採れる
但馬砥を手に入れました
長さ21cm、巾6cm、厚み7,5cm







このようなラベルが貼られています

「但馬砥は一時途絶えていたということですが
最近また掘られているようで、専門店や京都東寺の
弘法市で売られているのを見かけます
また、 ネット上でも売られているようです







早速鉋(カンナ)刃を研いでみました
ご覧のようによく反応します







粒度は#1500ほどで、細かめの中砥の部類に入ります
傷が浅いので画像をご覧のようにやや輝きが出ています
所々粗めの筋が入っていますが、これも浅いものです







上の状態から左半分だけ
いつも使っているシャプトン刃の黒幕
#1500で研いでみました
傷は右側の但馬砥よりも荒い感じです
また、傷が深いので右側よりも黒く見えます







この鉋の鋼(はがね)超特殊鋼(燕鋼)のものですが
強靭な鋼も軽く研ぎ上がります

この前段階で使った砥石は、シャプトン・刃の黒幕#1000です
上の画像はその研ぎ汁を付けて研いだものです
こうするとよく反応し、強い研磨力が得られます
シャプトン・刃の黒幕#1500よりも傷ははるかに浅く
次の仕上げ研ぎがたいへん楽です







これはハイス全鋼の鉋刃です
傷が浅いので、荒い仕事でしたらこの状態で充分使えます
これも上の超特殊鋼と同様に研いだものです
ハイス全鋼の刃は、シャプトン刃の黒幕でも
砥石のかかりが悪いのですが、但馬砥+「黒幕研ぎ汁」で研ぐと
短時間で力強く研ぎ上げることができます
砥石の底力も充分で、研ぎ心地もすばらしいものがあります
これには驚いてしまいます

また、この但馬砥の傷は
後の仕上げ砥のかかりにも影響が及ぶのです
参照

2009年12月、新たに但馬砥を入手
参照

研ぎの動画はこちら







50年以上前に使われていた
電動研ぎ機用の天然仕上げ砥石
中山産の浅黄砥石だということです

当時の銭湯で貸し出されていた剃刀(かみそり)
を専門に研いでいた職人さんが使っていたものだそうです
剃刀が替刃式になってからは
こうした職業は姿を消していったということです







鉋を研いでみました
ひじょうに硬いですが、力のあるすばらしいものでした
刃物への喰い付きが強いので電動で研ぐのは難しそうです







このように鏡面に仕上がります

研ぎの動画をUPしています







美濃地方(岐阜県)で採れたという
合せ砥(仕上げ砥石)を手に入れました。
あまり期待をしていなかったのですが研いでみて驚きました。
仕上げ砥石の名産地である京都や滋賀県に
産するものと比べて何ら遜色はありません。
むしろ、こちらの方が優れているかもしれません。
やや硬めで、反応よく底力があり研磨力も強力です。







ほぼ鏡面に仕上がり
地鉄(じがね)の肌もきれいに現われます


古事類縁の本草綱目訳義の砥石の条では

カミソリ砥は山城(京都)では鳴滝産が上質である
また高尾でも採掘されている
京都・鷹峯
たかがみねの金地院の領分からも産出する
また、濃州
(美濃国・岐阜県)でも産出し
これを戸沢砥と云い、上質の砥石である


と説明されていますので(参照
明治時代には美濃地方でも砥石が採掘されていたようです

このサイト
「砥石型珪質粘土岩は丹波〜美濃〜足尾帯のジュラ紀付加体と
その相当層分布地域、秩父累帯南帯および
北海道渡島帯の各地域から報告されている」と説明されているように
砥石が採れる地層は京都から滋賀県を通り
岐阜県まで繋がっているようです

紹介したサイトで説明されているコノドントという微生物の化石は
リン酸カルシウムが主成分で
砥石の研磨に適正を与える働きをしているそうです
また、これを分析することにより
砥石の年代を知ることができるということです







昔の職人さんにより使い込まれた仕上げ砥石を入手しました
天然仕上げ砥石の名産地、京都梅ヶ畑産のものと思われます
尾崎間府あたりのものでしょうか・・

大きさは、長さ20,5cm、巾7cm、
厚みは1,8cmまで使い込まれています







研ぎ面を直して早速研いでみました
硬めで、反応はすばらしく研磨力も強烈です
申し分なしの仕上げ砥石です

現在売られている同じ産地のもので
このように優れたものには
なかなか出会うことができません







はがねは鏡面に仕上がり
地鉄じがねは冴えて鉄地がくっきりと現われます
優秀な最終仕上げ砥石です

因みに、この寸八の鉋身は
今は亡き、三代目千代鶴・落合宇一作の
「三水」銘のものです
鋼の冴えと切れ味はすばらしいものがあり
他に類を見ません





四国の香川県高松市で使われていた砥石を入手しました
これは当地の建具職人が使っていたものだそうです。



研いだときの感触と、裏側に見られるわずかな
皮の状態から、京都中山産のものだと思われます
層は巣板のようですが、ひじょうに硬いにもかかわらず
よく反応し研磨力も強いです
厚みが1cmほどまで使い込まれているのが
納得できるたいへん優れた仕上げ砥です







研ぎ上げた15mm巾のフィッシュ・テール薄ノミ
はがねは鏡面に仕上がり、地鉄じがね
細かい金色の沸にえ粒もくっきりと表れています

こういった優れた砥石には
現在売られている同じ産地のものには
なかなか出会うことができません

この砥石は使っていた職人さんが昭和30年代に
手に入れたものだそうです
筋があるので比較的安価で購入できたということで
お金の無かった若い頃だったので
こういったものでも充分だったという話です

現在高齢になられた木工関係の
元職人さん達の話では
香川県には京都から砥石業者が行商に
来ていたということで、その業者は高松はじめ四国の各地
それから九州にも行商に行っていたということです
当時、二級品扱いだった硝煙を含んだ砥石を
よく持って来ていたそうです
そういったものは安価でも力があり、よく売れていたそうです
現役の高齢の職人さんのなかには
今でもそういった砥石を使っている人もいるということです





播州(兵庫県南部)の旧家に眠っていた砥石を手に入れました
大正時代の頃に使われていたらしい

 

これがその一つで、おそらく京都の仕上げ砥石の名門、中山産の戸前だと思われます
美しい浅黄色のもので、雑味はいっさいなく極上の仕上げ砥石です
画像に所々色の濃い部分がありますが、これは少し水に濡れているためです
大切に使われていたもののようで、砥石の側には割れ防止のため黒い漆が塗られています
また、檜(ひのき)の台に収められていて、この台にも黒漆が塗られています
砥石はよく使い込まれていて、厚みは1,5cmほどまで減っています
ここまで減るには頻繁に使ったとしても数十年はかかっているでしょう







台から砥石を外してみました
右側は砥石の底で原石の皮の状態です





  

さっそく鉋を研いでみましたが、良く反応し強烈な研磨力です
硬めの砥石ですが、反応がよいので研いでいてそれほど硬さを感じません
中山産特有の研ぎ心地で、文句なしの極上砥石です
大きさは巾7,5cm、長さ22cm





  

研ぎあがった鉋。この鉋は近所のホームセンターで
¥1000ほどで買ったものですが、よく切れます。
ご覧のように美しく研ぎあがりました
地鉄じがねの景色がよく表れ、鋼はがねは鏡面に仕上がります
人造砥石ではまずこのように美しく仕上がりません





刃物の生産で有名な播州(兵庫県)三木に、長い伝統のある
日原大工と云われる職能集団があったそうです(現在の三木市)

その地で明治から大正にかけて日原大工の棟梁として
活躍していた人物が使っていた道具一式が世に出ました
この人は天皇家の建築も行っていたということです







その中の仕上げ砥石です
京都の中山産でしょうか、大突産でしょうか・・
それにしてもよく使い込まれています
ひじょうに硬い砥石ですので
ここまで減るには頻繁に使ったとしても
50年以上はかかっているのではないでしょうか

家の人の話によると、これを所有していた棟梁は
その親方から受け継いだものも持っていたということです
ですから、もしかしたら代々使われてきた物かもしれません







研いだときの感触としては中山産のようです
中山よりも北に位置する大突や
尾崎に産するものにも同様のものがあります
層は巣板でしょうか・・
ひじょうに硬いですが、よく反応し
刃物への喰い付きは理想的で研磨力も強烈です
最終仕上げ用として申し分なしの砥石です
長い間使われてきたのは当然と云えます







このように鏡面に仕上がります
この前の段階では
丹波産青砥で中研ぎをした後、大平産の曇り砥を
中継ぎとして使いました







これは15年ほど前に近所の人から貰ったものですが
大変優れた天然中砥なのです
ガリガリと力強く研いでも刃物に負けません
研磨力も強く、ノミを研ぐのにもってこいの砥石です
ノミ専用としてしばらく使いましたが、だいぶ減ったので
もったいなくてここ数年使っていません
同じものが売られていないかあちこちで探してみたのですが
結局見つかりませんでした
名前も判らないのです
どなたかご存知の方はぜひご教示をお願いします





 

これが研ぎ傷です。中砥にしては荒めで、#600くらいでしょうか・・
ところがこの傷は仕上げ砥で難なく消せるのです
傷が荒くても浅いのでしょうか・・
ノミの耳(刃の両先端部)もクッキリと研ぎ上がります
人造中砥は研磨力はありますが
傷が深いのでその傷を消すのに苦労します



研ぎ動画(You Tube)

砥石と研ぎに関するブログ

刃物に関するブログ    梅ヶ畑村誌

昭和40年代砥石採掘事情       京都伏見の鋸鍛冶について

天然仕上げ砥石について  天然砥石について   出土砥石について

昭和4年出版の「刃物の研ぎ方」


Home