製作工程 その1
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製作中の19世紀ギター、ラコート・タイプ
今回製作のものも、注文により前回同様
表板をアンティーク・レッドに仕上げます

表板は30年寝かせたヨーロッパ・スプルース
横板は木目の美しいホンジュラス・ローズウッド
裏板はホンジュラス・ローズウッドと
ヨーロッパ・スプルースを貼り合わせたもの



補強材の様子



こちらは、もう1台製作しているもので
19世紀ギター、ラプレヴォット・タイプ
サウンド・ホールが銀杏(ぎんなん)形のものです
これはオリジナルにも存在します
今回はその他にも、裏板の膨らみ具合や
ボディの厚みなどいろいろと試したいと思っています



響板を接着












ヘッドの加工
糸巻きのローラーが納まる穴を
開けているところです



弦倉を切り抜いているところ



ネックとのジョイント部分の加工



ネックとヘッドのジョイントが出来上がりました
この加工は刃物が良く切れなければうまくいきません
ほとんど、刃物と砥石にやってもらっているようなものです

この後、ネックを削り仕上げて、黒檀の薄板(ベニヤ)を貼ります
ベニヤの貼り方はこちらを参照下さい



ネックを仕上げていきます
小刀で荒削りをし、鉋で仕上げます



ネックに黒檀のベニヤを貼りました
ヘッドは仮に繋いでいる状態です
この後、膠(にかわ)で接着します
動画参照下さい



膠で接着
この後、ネックを所定の長さにカットし
それに合わせたヒール部分を作っていきます






因みにこれは19世紀ミルクール・タイプの
ヘッド繋ぎ部分です



ネックを所定の長さと角度に切る



一発勝負であります
うまく切れるかどうかは、すべて鋸にかかっている
あとはうまくいくように祈るのみ・・

動画参照下さい    長勝鋸を使った動画  その2



なんとかうまくいきました
右はラプレヴォット・タイプ
左はラコート・タイプ
ヒール部分の形状が違うので
カットする角度が違います



接着面を鉋で仕上げて出来上がり
この後、これに合わせてヒール部分を作ります

鉋仕上げ動画



ヒール部分になる原材
手前の白いものはラコート・タイプのもの
材種はリンデン材(菩提樹)
黒いものはラプレヴォット・タイプのもので黒檀材



このようにカットしていきます






谷口清三郎銘の鋸
左側から、製材用のガガリ鋸(縦挽き鋸)
2番目は縦挽き専用鋸
次は挽切り(横挽き専用鋸)
右端のものはネズミ刃の鋸
これは縦挽き、横挽きどちらも使えるもので
堅木の薄板を切るときに重宝します

谷口家は京都の伏見で代々鋸鍛冶として栄えていました
詳しくはこちを参照ください



ラコート・タイプのヒールを仕上げていきます
小刀で荒削りをし、鉋で仕上げます



さらにサンドペーパーで磨いて出来上がり



これにネックと同様に黒檀のベニヤを貼り
その後、膠で接着します



ラプレヴォット・タイプのヒールは
黒檀の塊なので重すぎます
それで私はこういう風に内部を切り取って・・



軽い木に置き換えています



これで少しでも軽くなり
悪影響が少なくなります



ネック部とヒール部を膠で接着しました



これは19世紀ギターのオリジナルです



上とは別の楽器ですが
オリジナルにはこのように
接がれているものがあります
Sinier de Ridderから2007年に出版された
「LA GUITARE」から部分転載
この本はたいへんすばらしい内容で
ギター製作家のバイブルとも云えるものです



これは19世紀ギターのオリジナル、フランスの製作家
アンリ・レイモンのヒール部です
内部は軽い木で、リンデン材(菩提樹)と思われます






何度か修理されたような痕跡が見られます



ボディとネックの接合部分の加工が仕上がりました
加工の様子、YouTubeに動画をUPしております
その1  その2






このように接着されます






参考までにこれは19世紀のプチジャン
長い間眠っていたもので
ガット弦が張られたままです



こちらは1820年代のラコート
ネックがボディに5mmほど埋め込まれて
いるのが確認できます



コクタンと思われる木釘が
ブロックから打ちこまれているようです

因みに、イタリアのギターでは
日本の和釘のような長い(10cm以上の長さ)釘が
打ち込まれています



そしてこちらは1840年代のラコート
ネックはボディに直に接着されています



縁飾りを入れるための掻き取りを終えた状態です



縁飾りを接着
このようにゴムバンドや紐で縛る方法と
(くさび)で圧着する方法があります参照
どちらの方法にも一長一短があります



縁飾りが入りました



指板を接着



指板が接着されるとギターらしくなります



こちらはラプレヴォット・タイプ



ブリッジを作っていく
上はラプレヴォット・タイプのもの
オリジナルとは違ったデザインにしました
おおまかに形が決まったら
サドルが納まる溝を切っていく



サドル溝ができたら
ピン穴の下穴を開け
贅肉を落としながら形成仕上げをする



仕上がったら膠で接着する
その場合、私はきるだけ弱い力で圧着するように心がけている
その分、接着面の調整が厄介であるが、重要なことなので
ブリッジの仕上げには時間を惜しまない



ブリッジの接着を終えました



ラプレヴォット・タイプのブリッジは
当初の形状より細めに変更しました



フレットの溝切り動画



ニス塗りにかかりました
ラプレヴォット・タイプはほぼ塗りを終えていて
あとは仕上げ塗りをするだけです
別の製作時のものですが
セラック・ニス塗りの動画をUPしております

フレンチポリッシュ仕上



フレットもすでに打ち込まれています
今回は古典音律フレッティングにしてみました
曲がったフレットの溝をどうやって切るのか
という問い合わせがありましたので

その方法を公開します


板フレットの仕上方はこちら



ラプレヴォット・タイプが出来上がりました
他の画像はこちら
左のレッド・ギターは前回製作したものです


製作工程 その2

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